一期一会を大切に。

2015.04.20更新

平成27年4月13日,福井地裁において,センターラインをはみ出した側の助手席の男性が死亡した事故について,対向車線を走行していた対向車側にも損害賠償責任を認める判決が出て,ニュースになりました。

私も丁度,さいたま地裁川越支部において,これと同様に,対向車が飛び出してきた交通事故の刑事事件の弁護をしたことがあります。その事件で,裁判所は「対向車両と遭遇するや,進路右側に右転把することを予測することは極めて困難であり,被告人に◆車両の動静について予見義務ないし予見可能性があったとはいえない」と判示し,無罪判決としました。

普通の感覚から言えば福井地裁の判決は奇異に感じられると思いますが,この事件は民事事件で,自賠法の運行供用者責任の成否が問題になっていることがミソです。

同法では,自動車の所有者等の方で,「自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと」「被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと」「自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたこと」の3つの免責要件を立証しなければならず,立証責任が転換されています。そのため,福井地裁の判決のように対向車側の過失を認めない一方で,対向車側が無過失の立証が出ていないとして,責任を認めるということもあり得るというわけです。

しかし,理論的にはそうだけど。。。という感じはします。実際,センターラインオーバーの事故について,免責を認めた裁判例は過去に何件もありますので,事案を見ないと何とも言えないところです。恐らく控訴すると思いますので,控訴審の判断が気になります。

 

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2015.03.31更新

以前,不倫をした有責配偶者からの離婚請求をブログで取り上げましたが,

最近,興味深い裁判例が出ています。

 

東京高判平成26年6月12日(判時2237号47頁)は,

複数の男性と不貞行為に及んだ妻からの離婚請求を,有責配偶者からの離婚請求であるとして排斥した原審を取り消して,

離婚請求を認容しました。

 

そもそもそれまで有責配偶者からの離婚請求を否定されてきた趣旨は,一家の収入を支えている夫が不貞行為を働いたうえで離婚を請求するという身勝手な行動を認めては残された妻子の生活が不安定になり社会正義に反する結果になるということにありました。

しかるに,この裁判例は,離婚を請求しているのは妻であること,離婚を認めても未成年者の福祉を害する事情がないことなどを重視して,離婚を認めました。

別居期間は1年半で,複数男性との不貞行為という,一見すると,原審のように最判昭和62年9月2日に照らして,離婚請求は認められないように思える事案ですが,この事案においては離婚を認める結論に問題はないと思いますので,同最判の規範に拘泥することなく,ますます離婚は認められやすくなっていると言えます。

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2015.02.15更新

今は,養育費・婚姻費用算定表がネットで検索すれば,簡単に手に入る(例えば「http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf」)ので,これを見て相談に来られる方も多いです。

この算定表は,権利者と義務者の収入を当てはめれば簡単に金額が分かりますので,非常に便利です。

ただ,算定表だけが一人歩きして,算定方法の仕組みを多少は分かっていないと,実際の事例に当てはめて考えるときに,よく分からなくなります。

例えば,家賃はどう考えるのか。これは特別経費として当然考慮済みです。

 

では,義務者が,別居後も,権利者の家賃を支払い続けている場合はどう考えるのか。

この場合は,算定表による算定結果から家賃分を控除することとされています。

 

さらに,義務者が,別居後も,権利者の居住する住宅のローンを負担している場合はどう考えるのか。

この場合は,家賃の場合と同様に,単純に住宅ローン支払額全額を算定結果から控除するというわけにはいきません。なぜなら,標準的な住宅ローン支払額は算定表において考慮されている標準的な住居関係費よりも高額であることが多く,全額控除すると養育費・婚姻費用が非常に少額になってしまうことや,住宅ローンの支払いというのは,純粋な住居費というものではなく資産形成の側面もあるからです。

この場合は,種々の計算方法がありますが,私が代理人をした案件の審判では,算定表で算出した額から,権利者(多くの場合は妻)の収入に応じた標準的な住居関係費を差引いていました。

その他,私立学校の学費など算定表だけを見て分からないことは色々あると思います。

私も,実際に相談を受けたときに,当該事案の事情に応じて特別な考慮が必要か否かをその都度検討しています。

 

調停は代理人を付けなくてもできますが,相手方の主張や調停委員の勧めのままに,結果的に不本意な調停を成立させてしまう危険もありますから,弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

 

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2015.02.08更新

夫が若い愛人を作って家を出てしまった。夫は離婚したいというが,離婚は認められるのでしょうか。

こんな身勝手な請求許されるはずがない,というのが率直な思いかもしれません。最高裁もかつては,妻が「全く俗にいう踏んだり蹴ったり」であるとして,このようないわゆる有責配偶者からの離婚請求は否定していました。

しかし,婚姻関係が完全に破綻しているにもかかわらず,戸籍上だけの婚姻を存続させることは不自然なことです。

そこで,最判昭和62年9月2日(民集41巻6号1423頁)は,「有責配偶者からされた離婚請求であっても,①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び,②その間に未成熟の子が存在しない場合には,③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り,当該請求は,有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である。」として,積極的破綻主義へスタンスを変化させました。

その意味で,夫が不倫をして出て行ったという一点だけで,離婚請求が否定されるということはありません。

ただ,「相当の長期間」といってもどのくらい別居していればよいのか,一義的に出てくるものではなく,個別具体的な判断が要求されますから,弁護士に相談をすることをお勧めします。

 

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2015.01.02更新

新年あけましておめでとうございます。

本年も,皆様のご要望,ご信頼にお応えできますよう,より一層の研鑽と努力を重ねて参ります。
皆様の益々のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。

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投稿者: 弁護士甲斐伸明

2014.12.03更新

 生命保険金が遺産に含まれるのか?という問題については,多くのブログやサイトで解説がなされているとおりです。

 すなわち,まず,亡くなった被相続人が受取人となっていない限り,保険金は,保険契約に基づいて,保険会社から直接受取人に支払われる受取人固有の財産ですから,遺産には含まれません。

 そして,生命保険金を遺産そのものでないとしても,生前贈与や遺贈と同様に,民法903条1項の特別受益として,生命保険金を遺産の額に加えて考えられないかという点についても,最決平成16年10月29日(民集58巻7号1979頁)が,原則としてこれを否定しました。

 但し,同最決は,「保険金受取人である相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」には,同条の類推適用により,特別受益に準じて持ち戻しの対象として扱う例外を認めています。

 問題はこの「特段の事情」がいかなる場合に認められるかですが,同最決の解説にもあるように,まずは,基本的には,保険金の額の遺産総額に対する比率等の客観的な事情により著しい不平等が生じないかを判断し,さらに,身分関係や生活実態等のその他の事情から公平を損なうといえないかどうかを判断することになります。

 基本的な判断要素である,「保険金の額の遺産総額に対する比率」という点から見ると,東京高決平成17年10月27日(家庭裁判月報58巻5号94頁)は遺産の99%,名古屋高決平成18年3月27日(家庭裁判月報58巻10号66頁)は,遺産の約61%を占める死亡保険金について,最高裁判所平成16年10月29日決定の「特段の事情」を肯定し,特別受益性を肯定しています。

 これを見ると,生命保険金が数十万円ということはないし,遺産が億を超えるような人もそう多くはないでしょう。生命保険金も遺産総額も,いずれも数千万円単位であることはよくあると思うので,実は,この最決がいう「特段の事情」って,例外とは言いつつも,そんなにハードルが高い感じもしません。

 なので,“生命保険金は遺産に含まれない”という一般論だけで相続を片付けるのは不十分で,生命保険金の有無・金額の多寡もしっかり確認する必要があるように思います。

 しかし,生命保険金の受取りを受取人の相続人が素直に明らかにしてくれれば良いですが,対立している相続人相手には一筋縄ではいきません。

 私が実際に扱った案件では,最初は被相続人の遺産は,自宅不動産と預貯金しかなく,その遺産の総額や評価を巡って調停で争っていたのですが,念のために,預貯金の取引履歴にあった高額の送金先について銀行に弁護士会照会請求をかけたところ,一時払いの保険が出るわ出るわで,たちまち,遺産総額を超える保険金が判明しました。
 もともと依頼人も取れるだけ取ろうという考えがなかったので,特別受益性の争いまではしませんでしたが,それまでの遺産総額の争いはすっかり収まり,ほぼこちらの言い分通りですぐに調停がまとまったということがありました(調停でまとまらなければ過去の裁判例に照らして特別受益性が認められる可能性が極めて高く,そうすると一気に倍額になりますからね)。

 ところで,この一時払い終身保険は,普通の保険よりも加入しやすく,定期預金よりも元本が増えて,死亡保障まで付いているという,良いことづくめの,退職金の運用方法として,保険会社も熱心に販売している商品のようです。

 先の事案でも,まさに退職金からすべて一括払いされており,1年もしないうちにその方が亡くなったので,理論的な意味での保険金と保険料の等価性ではないですが(最判平成14年11月5日民集56巻8号2069頁が否定するように),まさに“預貯金が姿を変えただけ”という性格が強いものでした。

 このような一時払いの保険は,より特別受益性が認められやすいのではないかなという気がします。

 遺産の範囲で分からないことがありましたら,お気軽にご相談下さい。  

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2014.11.28更新

 犯罪の発生当時,テレビ,新聞,ニュースサイトなどで報道された犯罪についてのウェブサイト上の記事は,削除できないと思っている人もいると思いますが,一定の場合には削除が可能です。

 人の犯罪行為に該当する前科等を,実名を使用して公表することが不法行為を構成するか否かは,その者の生活状況,事件それ自体の歴史的または社会的な意義,当事者の重要性,社会的活動や影響力について,その著作物の目的,性格等に照らした実名使用の意義及び必要性をも併せて判断すべきであり,その前科等に関わる事実を公表されない法的利益が優越する場合には,その公表によって被った精神的苦痛の賠償を求めることができるとされています(最判平成6年2月8日民集48巻2号149頁参照)。

 そして,インターネット上の過去の犯罪報道記事についても,この「新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない利益」を理由に削除請求が出来ます。

 したがって,犯罪の軽重,処分の内容,事件の発生当時からの時間の経過,その者の生活状況など,例えば,刑の執行猶予期間も経過して,社会復帰を果たすべく就職活動をしているのに,ウェブサイト上に残っている犯罪報道の記事の影響で,内定を取り消されたり,そもそも,書類審査だけで何十社も落とされてしまうといった場合,削除が認められる場合があります。

 以上は,裁判手続を想定した判断方法ですが,新聞社のサイト,ブログ,各種電子掲示板などの任意の削除請求では,あまり厚く論じなくても比較的容易に削除に応じてくれます。

 インターネット上に残ったままの前科などの犯罪記事でお困りの方はお気軽にネット記事弁護士相談室までご相談下さい。 

 

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2014.11.20更新

 2ちゃんねるの記事の削除請求については,従前は,2ちゃんねるの管理会社(パケットモンスター)を相手に削除の仮処分を申し立てて,仮処分決定の正本をPDFにして有料サーバーにアップロードし,そのURLを2ちゃんねるの削除依頼のスレッドに掲載するという流れが定着していました。

 しかし,現在,2ちゃんねるの運営側の内紛で,2ちゃんねるは,ドメインが「2ch.net」と「2ch.sc」の2種類になり,従前の「2ch.net」の管理会社はレースクイーンインクとなり,西村博之氏が新たに開設した「2ch.sc」の管理会社がパケットモンスターです。

 削除請求の方法は,「2ch.sc」の場合は,従来の方法と同様仮処分決定を得て,掲示板上で削除依頼をします。「2ch.net」の場合は,平成26年8月下旬に発表された2ちゃんねる削除体制によりメールでも削除に応じるようになりました。 

 これまで実際に,何件か,メールで削除請求してみましたが,割合と簡単に応じてもらっています。早ければ即日です。

 仮処分命令を得た案件は当然ですが,そうではない,メールでの任意の請求でも応じてくれています。

 現状で注意が必要なのは,削除請求に関しては,管理会社がレースクイーンインクに変更になってから,東京地裁を始めとする裁判所は,無審尋の上申書を出しても,原則として認めません(発信者情報開示請求はログの保存期間の関係で認められます)。

 ただ,地方の裁判所では,無審尋で削除を命じてくれたところもありました。

  また,レースクイーンインクは日本の主たる業務担当者が不明なので,管轄裁判所は依頼者の住所地の裁判所になり,必ず東京地裁でできるわけではありません。

 

2ちゃんねるの記事でお困りの方はお気軽にネット記事弁護士相談室までご相談下さい。

 

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 平成29年10月3日追記

 2ちゃんねるは5ちゃんねるになりましたので,併せてこちらの記事をご参照下さい。

 

 

 

投稿者: 弁護士甲斐伸明

2014.10.21更新

これから弁護士ブログを更新してまいります。

よろしくお願い致します。

投稿者: 弁護士甲斐伸明

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