一期一会を大切に。

2015.06.01更新

家族が亡くなったからしばらくした後に,突然,金融機関から借金の支払いの請求があった。

相続人は,亡くなった方のプラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続しますので,借金も残された相続人が引き継ぐことになりますが,家庭裁判所で「相続放棄」(民法第915条 )の手続を取れば,借金を引き継がなくて済みます。

ただ,この相続放棄は,「相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に,相続について・・・放棄をしなければならない。」とされています。

この3か月を熟慮期間といいますが,厳密には被相続人が死亡したときからではなく,

相続人が相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから起算されます。

例えば,妻子がある男性が死亡した場合の男性の父母は,男性が死亡した事実を知っただけでは,熟慮期間は起算されず,その妻子も相続放棄をした事実まで知って初めて熟慮期間が起算されます。

 

では3か月を経過してしまった場合はどうにもならないのでしょうか。

これには例外を認めた最高裁の判例(最判昭和59年4月27日判時1116号29頁)があります。


「熟慮期間は、原則として、相続人が前記の各事実を知つた時から起算すべきものであるが、相続人が、右各事実を知つた場合であつても、右各事実を知つた時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、相続人が前記の各事実を知つた時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当である。」と判示しています。

要するに,亡くなった方と没交渉だったなどの事情で,相続人に相続財産の調査を期待できず,相続財産が全く存在しないと信ずるについて相当な理由がある場合です。

 

ただ,具体的なケースにおいてこの判断は難しいと思いますので,弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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投稿者: 弁護士甲斐伸明

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